今回はDIYをするなら必ず使うことになるであろうビス(ネジ)の処理の方法についてです。
DIYの経験が浅いうちは、まず形にすることが優先で細かい部分まで手が回りませんよね。
しかし、ある程度数をこなしてくるとビスを打った時に綺麗に仕上がらなかったり、木材が割れてしまった経験ありませんか?
その原因は、ビスを打つ前に下穴を開けなかったり皿取り加工をしないままビスを打ち込んだ為に、木材とビスに無理な力がかかってしまったからだと考えられます。
ではその解決策はと言いますと、やはりビスを打つ前の前加工が大切になってきます。具体的には、下穴加工と皿取り加工を行ってからビスを打つという手順を守ることが一手間かかりますがとても重要になります。
とはいえ、どんな工具を使えば良いの?ってなりますよね。
そこでぼくがおすすめするのがスターエムの皿取錐(さらとりきり)です。
これからDIYを続けていくなら必ず一つは持っておいたほうが良いアイテムですので、その理由と使い方などを解説していきます。
それと一緒にさらに仕上がりを良くする方法もお伝えしていきたいと思いますので、しっかり最後までご覧ください。
下穴、皿取り加工をしないでビスを打つと一体どうなるの?
まず、下穴や皿取り加工をしないでビスを打った場合どのようになってしまうのか見ていきましょう。
- ビスを打つときに強い力が必要(木材にかかる負荷が大きい)
- ビスが途中で折れる
- 穴の位置(ビスの位置)がズレる
- 木材にバリのようなものが発生(つぶれて凹む)
- 段差が発生(ビスの打ち込みが浅い)
- 食い込み、ヒビ、割れが発生(ビスの打ち込みが深い)
- 細い木材は特に割れやすい
このように、たくさんのデメリットがあります。

悪い点はたくさんありますが、下穴などの前加工を省いた時のメリットは作業時間が早いということぐらいだと思います。
でも前加工を省いたせいでもし木材が割れたりしてしまったら、いくら作業時間が早くても意味ないですよね。
一手間加えることで仕上がりが抜群に良くなる
デメリットを見た後で、今度は下穴、皿取り加工をしてからビスを打つ時のメリットについてあげてみます。
先程の逆の内容になる訳ですが、
- ビスが下穴に沿ってスムーズに打てる
- ビスの頭が木材にしっかり収まる(表面がツライチ)
- 木材に余計なダメージを与えずにビスが打てる
- 割れたり、凹んだりしない
などなど、簡単にまとめると仕上がりがとても綺麗で全然違うということです。

ということで、下穴と皿取り加工の一手間は増えますが絶対にやったほうが良いと思いませんか?
例外として下地材などの見えない部分にビスを打つ場合はしなくて良いかもしれませんが、見える部分に関しては基本的には前加工をしたほうが良いです。
その一手間が丁寧な作品作りにつながり、結果的にDIYの素人っぽさを減らしてくれることになります。
スターエム皿取錐の使い方
ここまででビス打ちする前の前加工の重要性が分かったと思います。
それでは実際にどんな工具を使えば良いのかというと、こちらのスターエム皿取錐になります。



サイズは5種類ある
この商品はサイズが5種類展開されています。
品番 | サイズ | 下穴ドリル径 | 外側(皿取) |
58S-3080 | 3×8 | 3mm | 8mm |
58S-3090 | 3×9 | 3mm | 9mm |
58S-3510 | 3.5×10 | 3.5mm | 10mm |
58S-4105 | 4×10.5 | 4mm | 10.5mm |
58S-4120 | 4×12 | 4mm | 12mm |
基本的には3×9mmのものを使えば大丈夫だと思いますが、サイズに関しては自分がどのくらいの大きさの物を作るのか、どのサイズのビスを使うのかで変わってきますのでそれぞれ自分に合った物を選択すれば良いと思います。
特徴について
通常、作業の流れとして①下穴ドリルで下穴加工、②面取りカッターでビス頭部の皿取り加工と作業していきますが、この工具は違うんです。
なんとこの皿取錐1本で(1回で)①の下穴と②の皿取りが同時に加工出来てしまいます。
つまり単純に作業スピードが半分の時間で済みます。
さらに、もう一つ用途があって②の皿取り後にそのまま掘り進めていくと木栓を埋め込むための穴まで一緒に加工出来ちゃうんです。
まとめると、①下穴、②皿取り、③埋め込み用の穴という3つの役割をたった1本でこなしてしまうんです。
素晴らしい!!!
③の埋め込み用の穴についてはこの後説明していきます。
使い方
①穴を開けたい位置へドリル先端を合わせます(垂直に当たるように注意)

②ビスの頭がしっかり収まる深さまで皿取り部分を加工します

※皿取りの深さを一定にして加工したい場合にはドリルストッパーを使うと上手くいきます。
これで皿取り加工までは完了ですが、さらに埋木まで行う場合は、
③そこからさらに深く削り進んでいく(木栓が入る深さまで)

ビスをしっかり奥まで打つと、木栓が入るための穴が出来上がります。

そしてこの穴に入るものは?となりますが、ダボと呼ばれる市販の商品でも問題ありませんが、今回は埋木錐(うめききり)を使用して作った木栓を入れる方法を紹介していきます。
皿取り加工が済んで、木材に割れや凹みなどもなくビスが綺麗に収まっているだけでも全然綺麗ですが、次に紹介する埋木錐を合わせて使うと一気にビスが目立たなくなり、商品のような仕上がりに近づくためDIYスキルアップ間違いなしです。
スターエム埋木錐の使い方
まず、埋木錐とはこのような工具です。



サイズは5種類ある
こちらも先程の皿取錐と同様にサイズは5種類展開されています。
品番 | サイズ | 木栓の大きさ |
58S-080 | 8 | 8mm |
58S-090 | 9 | 9mm |
58S-100 | 10 | 10mm |
58S-105 | 10.5 | 10.5mm |
58S-120 | 12 | 12mm |
表を見ると分かりますが、スターエムの皿取錐と埋木錐はそれぞれ同じサイズで揃っているので合わせて使用すれば穴と木栓の大きさがズレないためお勧めです。
特徴について
木ダボや木栓というものを知っていますか?
この写真のものがぼくが埋木錐で作った木栓です。

埋木錐とは、この木栓を作るための工具になります。
これを皿取錐で開けた埋め込み用の穴にはめ込んであげると、ビスが全く見えなくなり綺麗に隠れるようになります。
しかも、作品に使っている木材と同じ木(共木)を使って木栓を作れば、材質や木目もほぼ同じなのでかなり自然な状態に仕上げることが可能です。
余った端材からもたくさん木栓を作れますのでとても経済的でもあります。
あえて、違う木材を使い木栓を作ってアクセントにするという方法もありますが、今回は共木で作ってみましたので紹介していきます。
使い方
①刃先をしっかりと木材に押し付けて、回転させて食いつかせる(垂直に)

②上から押す力は弱くして少しずつ優しく削っていく(インパクトをかけないように注意)


③マイナスドライバーなどで木栓を折って取り外す



④木栓の面が綺麗な方がビス側になるので穴に打ち込みやすいように、ハンマーなどで軽く叩いてつぶす(つぶさなくても入るようならやらなくても大丈夫)
⑤穴にボンドを入れて、木目の向きに注意して木栓を入れハンマーで打ち込む(もしもビスを外す可能性があるのならボンドは入れないほうが良い)


⑥突き出している部分をアサリなしのノコギリで切る


⑦表面をペーパーなどで磨いて仕上げる

これで完成になります。
埋木を切るときは、こちらのライフソークラフト145を使用しました。

実際にやってみるとそこまで難しくないので是非みなさんもチャレンジしてみてください。
ちなみにスターエムさんのHPでは、インパクトドライバーで作業するときは14.4V以上を推奨していますが、ぼくは10.8Vのインパクトを使用して作業しました。
推奨値よりは低パワーですが全然問題なかったので、みなさんがお手持ちの道具でも作業できるかもしれません。
サクサク作れるので、こんなにたくさん作ってしまいました。


いや、もちろん使う用途があったのでたくさん作ったんですよ。
それから、参考までに今回紹介した皿取錐と埋木錐についての動画がスターエムさんから出ていますので貼っておきます。
皿取錐&埋木錐セットを使って、ワンランク上のDIYを楽しもう
いかがでしたか?
この記事を読んでいる人の中には、もしかしたら今までビスを打つ前は何も加工せずにビスを打っていた人もいるかもしれません。
そのような人も今回紹介した皿取錐と埋木錐を使えば、DIYのレベルが一気に上がること間違い無いです。実際、出来上がった作品も素人が作ったというよりは商品に近い感じで仕上がりが全然違います。
この工具は皿取錐1本でも良いですが、埋木錐と2本合わせて使用することで100%の力を発揮します。
スターエムさんから、この2つの工具がセットになったものが販売されていますので記事の最後に貼っておきますね。
なるべく同じメーカーのセット品を使うことで、サイズがぴったりに作れて完成度が上がります。
ちなみにぼくもこのセットの3×9×9を購入して使っています。

一つ持っておくととても便利ですのでお勧めします。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それではみなさん楽しいDIYライフを!!